2026年03月11日
革製品を手にしたとき、「なんだか使い心地が良いな」「凛とした美しさがあるな」と感じることはありませんか?
その直感の正体は、もしかすると**「ヘリ落とし」**というひと手間にあるかもしれません。今回は、革仙家が全作品において決して妥協しない、この地道で大切な工程についてお話しします。
ヘリ落としとは、革の裁断面(コバ)の鋭い角を、専用の道具でわずかに削ぎ落とす作業のことです。
切り出したばかりの革は、角が立っていて少し無骨な印象。そこに「丸み」を与えることで、革本来の美しさを引き出していきます。
一見すると小さな作業ですが、これには3つの大きな理由があります。
肌に馴染む「優しさ」 角を丸めることで、触れた時の感触が格段に良くなります。毎日手にするものだからこそ、ストレスのない滑らかな質感を目指しています。
長く愛用できる「強さ」 角が残ったままだと、そこから革が擦れたり傷んだりしやすくなります。丸みを持たせることで摩耗を防ぎ、耐久性をぐんと高めることができるのです。
凛とした「品格」 角を落とし、整えられた断面は、光を優しく反射します。全体がシャープに引き締まり、手仕事ならではの高級感が宿ります。
正直に言えば、この作業はとても大変です。一つの作品を作るのに、大小さまざまなパーツすべてにこの工程を施さなければなりません。
しかし、この**「小さな作業の積み重ね」**こそが、最終的な仕上がりの美しさを決めると私たちは信じています。
「目立たない場所だからこそ、手を抜かない。」
革仙家では、これからもすべての作品にこの魂を込め、一つひとつ丁寧にヘリを落とし、最高の一品をお届けしていきます。